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サンバランス 高遮熱断熱タイプ

Low-Eガラスを使ったペアガラス製品です。室外側ガラスの中空層と接する面に、Low-E膜がコーティングされています。
サンバランス

透過率が高く、なおかつ断熱性と遮熱性に優れます。夏は室外から日射熱が流入することを防ぎ、冬は室内の暖房熱が流出することを防ぎます。そのため冷暖房費の節約になります。

Low-E膜があるため、紫外線を大幅にカットすることもできます。そのため内装や家具の色あせ、劣化を防ぐ効果があります。

主に住宅、オフィスビル、商業施設などに使われます。

特性

  • 遮熱
  • 断熱
  • 結露対策
  • 紫外線遮蔽

主な使用場所

  • 戸建住宅
  • 集合住宅
  • オフィスビル
  • 店舗・商業施設

サンバランスの種類

サンバランスの種類


規格 (代表例)

室外側 中空層(ミリ) 室内側 呼び厚さ(ミリ)
住宅用 SBQ3 12 FL3 18
SBQ3 12 F4K 19
SBQ3 12 PHW6.8 21.8
SBQ5 12 FL5 22
ビル用 SBQ6 6 FL6 18
SBQ6 6 PHW6.8 18.8
SBQ8 6 FL8 22
SBQ8 6 PHW10 24

複層ガラスの断熱の仕組みについて、詳しくは板ガラスの熱移動量についてのページをご覧ください。

サンバランスの断熱性能

サンバランスの断熱性能

Low-Eガラスを用いたサンバランスは、通常のガラスに比べて熱貫流率が非常に低いです。熱貫流率とは熱の逃げやすさを示す値であり、数値が低いほど断熱性能が高いことを意味します。

断熱性能の比較

断熱性能の比較

サンバランスの遮熱性能

日射熱取得率

日射熱取得率

サンバランスは遮熱性能にも優れています。遮熱性能とは、日射が室内に入ることを、どれだけ抑えられるかを表したものです。この性能は日射熱取得率という値で示されます。

遮熱性能の比較

遮熱性能の比較

紫外線カット率の比較

紫外線カット率の比較

(注意)
上記紫外線カット率は、旭硝子による測定データです。カーテンや家具などの 色あせに対して保証するものではありません。

サンバランス開発の歴史

開発の背景

サンバランスは、我が国における省エネ建材の先駆けとなる製品です。

日本は元々、欧米に比べて複層ガラスの使用率が低いです。これは欧米よりも比較的温暖であるため、複層ガラス設置の投資回収 (冷暖房の削減費用が初期費用を上回るまで) に時間がかかることが原因と考えられます。

しかし1980年に「旧省エネルギー基準」、1992年に「新省エネルギー基準」が告示されました。これにより住宅の断熱基準が示されましたが、依然として複層ガラスの普及率は低いままでした。

そうした中で旭硝子は、1987年に「サンレーヌ」を開発。これは断熱性能を高めたLow-E複層ガラスであり、後のサンバランスに繋がる商品です。

「サンレーヌ」から「サンバランス」へ<遮熱性の獲得>

90年代に入ると、バブル崩壊の影響もありサンレーヌの需要が伸び悩みました。そうした中で、ハウスメーカーA社から「夏、外から帰ってきても暑くない家」というコンセプトに適したガラスの提案を求められました。断熱だけではなく、遮熱性能を求められたのです。担当者は検討を重ねた結果、サンレーヌとは逆の構造にすることを思い付きます。

サンレーヌは室内側のガラスにLow-E膜を用いています。これは室内の暖気を外に逃がさないことを主目的とした、冬の寒さ対策。これとは反対に室外側のガラスにLow-E膜を使うことで、夏の日差しを遮断する効果を得たのです。

サンレーヌとサンバランスの比較イメージ図

この構造を基本として、旭硝子ではシミュレーションを重ねました。そして1993年、断熱性と遮熱性を兼ね備えたLow-E複層ガラスが完成し、これに「サンバランス」と名付けたのです。

サンバランスの発展

サンバランスはその後、1996年にハウスメーカーB社で採用されます。

当時このメーカーは吹き抜け構造の住宅を設計していました。開放感を持たせるため大きな窓を使うつもりでしたが、窓が大きくなれば夏の日射が厳しく、冬の熱損失が大きくなります。サンバランスはそうした事情にマッチしたのです。

ところでサンバランスは、室外からは緑色に見えます(現在の「グリーン」タイプ)。当時、板ガラス業界では「ガラスは透明でなければいけない」という考えが主流でした。しかしB社は色が付くことを逆手に取り、「ベンツと同じ色の高級ガラス」という触れ込みで宣伝。独特の色合いに、意匠としての価値を与えたのです。

サンバランスはその後、他の大手ハウスメーカーにも採用。事実上の業界標準となります。次なる課題は量産体制の確保。旭硝子は1998年に大型の製造機械を増設し、生産速度を5倍にしました。生産効率が上がったことで原価が下がり、コストダウンにもなりました。

他方、省エネに関する公的基準にも変化が起きていました。1997年12月に「京都議定書」が採択。先進国における温室効果ガスの削減目標が定められました。

これを受けて日本では、1999年3月に「次世代省エネルギー基準」を告示。欧米と同レベルの厳しい基準が制定されました。それらを実現するために、住宅やビル等の断熱性能を高めることが必須となったのです。

サンバランスは、こうした時代の要請に対応する窓ガラスでした。当時の建設省 (現 : 国土交通省) に提案され、最高位の評価を獲得。その性能が公的機関にも認められたのです。

現在は住宅のみならず、高層ビルや商業施設など幅広く採用されているサンバランス。それぞれの場所に適したバリエーションも増えました。国産ペアガラスのスタンダードとして、今日も日本中の建物で断熱・遮熱に頑張っています。

参考 : 富田純一(2007).「機能性ガラスにみる提案型製品開発 ー機能が「見える」コンセプト作りー」
最終閲覧日 : 2018年2月14日

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